在宅医療、看護、リハビリテーション、介護のマンパワーについて

2022年09月06日 こころ院長ブログ

在宅医療、看護、リハビリテーション、介護のマンパワーについて、足りているのか足りていないのか。

足りていないというのが一般的な考え方であるが、本当に足りていないのか?

特にヘルパーについては、足りていないのではという案件は、日々、感じることであるが、実際はというと、足りていないというよりは、根付かない、といった方が正しいか。

離職率、転職率が半端ない。転職して間もないスタッフ、新任スタッフが、他のスタッフと同等に働けるようになるには、半年以上かかるだろう。

その間にもどんどん転職、離職する。

結局、事業所が抱えているマンパワーのうち、実働しているのはその半分~なのかもしれない。

それを考えると、マンパワーの実数は、それほど不足していないのに、常にマンパワー不足と感じている可能性はある。

しかし、在宅う医療・看護・介護の需要が伸びている中で、実際に不足している部分もあるのだろう。

訪問診療や訪問看護、訪問リハビリのマンパワーが足りないのかというと、そうではない気がする。

すでに飽和しているような気もする。

しかし、実際のところ、予定がいっぱいで受けられませんと断られることもあるだろう。

要は、質の問題かな。

頼みたい事業所は、すでに許容以上の利用者を抱えているが、空きがある事業所はいっぱいあると。

訪問診療についてもそう。

まだまだ、許容はある。

月に20~30件くらいの依頼があるが、それも診療可能範囲圏内の紹介は、すべて引き受けてもなお、まだまだ数十件の受け入れ許容があります。

当クリニックが、別に、サービスの質が悪いから、紹介が少ないから、許容があるわけではありません。

どうしても高齢者の訪問診療をしていれば、最期を迎えたり、入院したり、入居したりと、訪問診療が終了になってしまう事があります。

それと、新規に訪問診療する方と、抱えている訪問患者さんの数の増減のバランスで、許容数の増減が起こります。

現状、まだまだ、余裕があるという事です。

開業4年たって、診療範囲県内の患者さんはほぼすべてお断りしないで受けていても、まだ、許容があるという事です。

クリニックによっては、病状や認知症などの情報から、手掛かりそうな患者さんを、満床です、今は診療患者さんがいっぱいで受けられませんと拒絶するところもあります。だから、実際の許容オーバーかどうかの判定は難しいです。当クリニックでは、基本的に、クリニックからの距離、立地で、訪問可能かどうか、精神科の訪問看護が介入しているかどうか、以外では、ほぼお断りはしていません。精神科の訪問看護のことについては、以前の記事に記載しています。当クリニックの診療方針と合いにくく、Bestな治療パフォーマンスができないから。

今、在宅医療分野は、この先10年を見ても、需要が伸びて、医療・介護の主戦場になることは明白です。

だからこそ、マンパワーの需要も多く、今後、給与その他の条件もどんどん上がる可能性があります。開業すれば、儲かる可能性があります。

ですが、究極的には、質の悪いサービスを提供する事業所やクリニックが増えても、見かけ上のマンパワーの増加だけで、在宅分野の求めるマンパワーは結局不足していることになります。

これからの日本の医療を支える柱となる在宅分野に、ぜひとも志の高い、質の高いサービスを提供してくれる新しい人材の参入が強く願われます。

病院で働きたくないから、誰かの下で働きたくないから、夜勤をしたくないから・・・・、あまり後ろ向きな希望をメインで抱いて在宅分野に入ってきても、あまり良いパフォーマンスは期待できません。

在宅分野は、一度関われば、基本的に、最期を迎えるか、入院・入居するか、何らかの顛末が無ければ、同じ患者さん・利用者さんをずーーーっと責任をもって、治療・看護・介護する、そういった責任が発生することも、心の片隅に置いておくべきです。

数日から数か月の短期間の担当をする病院勤務とは、少し毛足が違います。

だからこそ、人と人のつながり、想い、心が、とっても大事になる、ハートフルな現場なのです。

仕事ができる、ということはとっても大事ですが、まずは、患者さん、利用者さんの心をいやすプロであってほしい。

あの人が来てくれることが楽しみなんです、というお言葉を、当法人のスタッフには、よくいただきます。

それこそ、最大の誉め言葉の一つだと考えています。

そういった、serviceを提供してくれている、自社のスタッフに、尊敬と感謝の意を表します。