2022年07月02日 こころ院長ブログ
蜂に刺される蜂刺傷。
季節は、夏、7~10月がほとんどですが、それでも、冬場に無いわけではなく、1月という事例もあるそうです。
年平均32人の死亡症例があり、有毒動物の中で、圧倒的に多く報告されています。次いで、蛇やクモ・・・・。
日本で起こる蜂刺傷は、スズメバチ(オオスズメバチ、キイロスズメバチが多い、地方によりクマンバチとも呼ぶ)、アシナガバチ、ミツバチ、クロスズメバチなどが多く報告されています。
オオスズメバチは、とにかくでかい。4㎝前後になり、ミツバチやキイロスズメバチを襲います。このため、襲われる側のキイロスズメバチは、かなりナーバスになってしまい、特に10月頃には、巣の周囲に近づくものは、すべて敵とみなして、だれかれ関わずにを襲う、超戦闘態勢に入るようです。それにより、蜂刺傷の報告が増えるようです。
ミツバチは、毒針は、短いが返しがあるしくみで、普通には抜けない。さらに、飛び立つときに、内臓ごと抜けて針を残すため、刺した蜂は死んでしまいいます。なので、刺された針には内臓が残っており、これをつまんで抜こうとすると、中身の毒液を押し出すことになる為、デコピンのような要領で、爪で弾き飛ばして抜くことをお勧めします。
シバンムシアリガタバチ(左図)は畳を食べる虫です。人を刺す。刺されると1週間くらいかゆい。
ハチ毒の成分は、
ミツバチ:ヒスタミン+ドパミン+ノルエピネフリン
アシナガバチ:ヒスタミン+ドパミン+セロトニン+ノルエピネフリン
スズメバチ:ヒスタミン+セロトニン+アセチルコリン
ヒスタミンとセロトニンは、発痛物質です。蜂1匹の所有は少ないので、1匹で全身症状を起こすことは少ないといわれます。
蜂毒キニンという種類の物質は、ブラジキニンに似ています。ブラジキニンは体内発痛物質であり、血管拡張、血管透過性亢進して、発赤・腫脹・発熱の原因になります。
糖質コルチコイドやアスピリンなどの治療薬は、ブラジキニンによる発痛は抑制しないが、プロスタグランジンE2、I2を介する発痛を抑制するとされます。
ミツバチの毒のメリチンは、細胞膜を不安定にして、赤血球を破壊し、溶血させる。
刺された痛みは、数時間で消えることが多いです。
蜂は、目を狙ってくることが多いとされます(黒いから?)。
アナフィラキシーの発症率は、5%以下で、1回刺されると抗体は3年くらいで消失することが多いが、消えないこともあるようです。アナフィラキシーと他のアレルギー疾患との関係はないと言われています。
ヒスタミン、アセチルコリン、ノルエピネフリンにより、冠動脈攣縮を起こすこともあります。
マストバランという毒の成分んが、横紋筋融解を引き起こす可能性が示唆されています。それにより、腎不全を引き起こすことがります。
蜂に刺されにくい一番いい服は、迷彩柄の服だそうです。
もし蜂に襲われたら・・・、目を伏せて、できるだけ静かにその場を離れること。動くものを攻撃する習性があるので、棒や服を頭の上でぐるぐる回して、蜂の気ををそらすの刺されないためには有効だそうです。
刺されてしまったら、患部を水で冷やす、抗ヒスタミン軟膏を塗る。
アンモニア水(おしっこ)をかけるという行為は、意味が無いとされています。
刺し傷の周りに0.5%キシロカインを1~2ml浸潤させると痛みが和らきます。エピネフリン入りキシロカインは、血管が細い、血流が少ない指先などには使用してはいけません。。
アナフィラキシーではボスミン0.2~0.4ml皮下注射する。レスタミンの内服、注射も直後なら効果があります。
気管支けいれん⇒アミノフィリン250㎎+20%ブドウ糖20ml 5分でIV
症状続くならソルコーテフ100~500㎎点滴、ジフェンヒドラミン0.5~1㎎/kg IV。など治療があります。