訪問リハビリテーションについて 第5話

2022年04月30日 こころ院長ブログ

良い訪問リハビリとはなんなんだろう

まずおさらい。

外来リハビリは、高額な大掛かりな機械を導入することができる。そのため、専門的な機械を利用したリハビリが行えるが、実際に行われることや導入されていることは、多くはないだろう。実際のリハビリとしては、訪問リハビリでできるROM訓練やマッサージ、リラクゼーション、筋力体力向上訓練、起居・歩行訓練などがおおいのではなかろうか。実際に生活する環境で、実際に使う道具を使って、実際に必要な動作を訓練できる訪問リハビリは、とくに高齢者や障碍のある方には、効率が良く、有効性が高いと思われる。

通所リハビリでは、そもそもそこまで専門的なリハビリテーションを目的とはしていないので、専門的な高額な機械は、ないことが多い。また、マンパワーの問題もあり、集団レクリエーションや体操のような集団リハビリがおおくなる。ジムの集団トレーニングよりも線g¥属トレーナーがついてプライベートレッスンによるマンツーマンのトレーニングの方が、アスリートのトレーニングとしても効率が良く、効果が高いのと一緒で、訪問リハビリの方が、リハビリについては効果的で効率的であると思われる。

では、訪問リハビリは、どうなんだろう。

訪問リハビリと一言で言っても、同じサービスが受けられるわけではない。療法士の種類(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士)やその人のスキル、経験、姿勢、療法士の所属する訪問看護ステーションや事業所の会社としての姿勢・方針・マンパワーなど、リハビリの指示を出す病院やクリニック・医師の質、ケアマネージャーが訪問リハビリについてどれほどの知識があり、どういう意図で、効果を狙ってサービス計画を立ててくれているのか、などなど。

理学療法士と作業療法士は、実際は現場では、業務内容がオーバーラップすることが多々ありますが、基本的には、理学療法士は身体機能訓練のスペシャリスト。この療法士が、心臓リハビリ、癌リハビリ、呼吸リハビリ、腎臓リハビリ、麻痺・拘縮リハビリ・・・・などなど、細かな配慮ができる訓練の知識や経験をもっているか、必要な人にそれを実施してくれるのかによって、リハビリの効果は断然違います。とくに、呼吸リハビリは、実施してくれる事業所は少なく、当法人の療法士は、大部分が実施してくれるため、慢性呼吸不全の患者さんの呼吸不全の症状改善に尽力してくれています。作業療法士は、身体機能訓練の他に、生活環境動作、実動作・作業・道具使用、高次脳機能障害訓練などなど、オールマイティに対応してくれます。言語聴覚士は、認知機能訓練・高次脳機能訓練・音声発話障害訓練・嚥下機能改善誤嚥性肺炎リスク軽減訓練などなど口腔・頸部あたりの訓練をメインに行ってくれます。それぞれが、専門的に修行をして資格を取っている為、例えば、言語聴覚士が、身体機能訓練が行えるかと言われると、見様見真似ではできますが、基本的には否、と応えるべきでしょう。

事業所によるとは、そこの会社・法人の考え方、姿勢によるという事です。在宅、高齢者、疾病・怪我によるADL低下があるから、リハビリテーションが必要、リハビリの療法士がいるから介入させよう、というくらいにやっているところもあります。週に1~2回、療法士が来る、ROM訓練のようなものをする、とにかく歩く訓練をしたり、車椅子に座らせる。その目的は何だろう、何を狙っているのか、効果は出ているのか、本人にとってプラスになっているのか、そういったことを考えているのだろうか。大きく展開する会社では、場合によってはビジネスとして介護事業をやっているところもあるので、療法士の持ち時間枠を1日何枠、とにかく埋める、ということに主軸を置いてしまうところもあります。リハビリの効果ではなく、そちらに主眼を置いてしまうと、良いサービスは受けられません。療法士が、患者さん一人一人と向き合って、どうしたい、どうしてあげたいを具体的にオーダーメードで考えて、それにともない、ここのプログラムを考えて、実施し、その結果となった事柄から、さらにプランを変更して、次の目標を目指す。万z年と同じプログラムだけをやって時間を過ごして、評価も特段せずに、キャンセル終了などになるまでただ、毎週時間を過ごすだけの訪問リハビリなら、時間とお金の無駄であると思います。本当に、患者さんをより良くしようと思って取り組んでくれる事業所、ステーションなのか、そういったビジョンを持っているのか、どこの会社も患者さんの為にといいことばっかり言ってはいるけど、本当にそれを実行しているのかどうか、そういったことも自分たちで見聞きして判断しないといけない時代なのかもしれません。

指示だしによるとは、どういうことか。医師の指示でリハビリテーションが行われているはずなのに、医師から療法士によきにはかえ、適当にやっといて、というような指示であることも少なくありません。どこまでやっていいのか、何を目指したらいいのか、何を求められているのか、何がゴールなのか、どういうことに気を付けたらいいのか。。。。多くの事を指示医が指示しなければならないのに、そういったことが療法士の手にゆだねられきってしまっていたり、療法士が疑問に思ったこと、気が付いた事、確認したいこと、提案したいこと、・・・なんでも、すぐに、指示医に相談できるような環境にあるの?ということもとても大事。気が付いていたのに、聞くことも確認することもできず、世からの事象が起きてしまった。。。何てこと、あったら大変。療法士のリハビリ的な知識や技術、観点を、医師として、別な角度から、こうしたらどうか、ああしたらどうか、こういうこともしてみて、と補完することができれば、さらに訪問リハビリのサービスはクオリティが増します。

こんなことから、訪問リハビリを導入しようと意思決定、選択された後は、次に、どの療法士の介入が必要なのかを考え、どこの事業所に依頼したらいいかなぁ、と考えてから、サービスをと導入することをお勧めします。なんでもケアマネージャー任せにして、ケアマネージャーの単なる知り合いや知っている事業所、手が空いているのですぐに介入できる事業所のような感じで、訪問リハビリを決めてしまうと、せっかく時間とお金を使ってリハビリをしているのに、一向に良くならない、むしろ悪くなっている、あとで、事業所を替えた時には、もう戻すのが難しいくらい病状が進んでいた、なんてことにならないように。私の経験上、どこどこに訪問リハビリがすぐれている、という情報はかなり得られづらいです。なぜなら、訪問リハビリによって、どのくらい良くしようか、具体的な目標をもってトレーニングして、どれくらい良くなっているか適切な評価を行っている事業所がおそらく少ない、し、その評価を気にしている人がほとんどいないのではないかな?だから、どこの事業所でリハビリしたらすごくよくなったという話をほとんど聞かない。それでは困るので、当法人では、具体的な目標を(達成できるかどうかは二の次)たて、定期的に評価を行い、主治医が本人の状態、ADLなどを気にしてみて回ることで、リハビリテーションの質を保ちつつ、的確に指示、アドバイスをして、さらに、リハビリテーションの硬化像台、効率化に努めるように努力しています。

当法人は、少なくとも、上記のようなことが、よりよくいくように、クリニックと訪問看護ステーション、訪問リハビリテーション事業所と連携を取りながら、少しでの在宅生活がよりよくなるように、訪問リハ日リエーションを勧めています。訪問リハビリにご興味のある方は、クリニック・事業所の方にご相談ください。