訪問リハビリテーションについて 第3話 

2022年04月19日 こころ院長ブログ

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リハビリテーションには、入院リハビリテーション、外来・通所リハビリテーション、訪問リハビリテーションがあります。

入院リハビリテーションは、在宅医療とは直接は関係ない(実は、その内容により退院後の生活に影響が出るので関係が深いと言えば深いのですが、ここでは、省略します。)ので、割愛いたします。

外来。通所リハビリテーションは、手術や治療をした専門医のもとで、通院しながらのリハビリテーションとなります。おそらく、脳神経外科・神経内科・整形外科などの主治医・執刀医がいるところでのリハビリテーションになるので、疾病による何かの際には診てもらえる、その科特有のリハビリテーションの経験療法士が多いはずです。なので、患者さんの抱えている障害が疾患特有の、術後特有のものであれば、とてもいい効果が得られるのではないでしょうか。しかし、すべての方にいいこと尽くしなわけではないです。問題なのは、通うという事。これがネックとなります。

通うということで外出の機会を設ける、というのは、ケアマネージャーさんを中心に、在宅介護の分野では、よくプランニングされます。しかし、そもそも、在宅介護や訪問診療を受けられている方々は、通うということが困難であるためにそういったサービスを受けています。高齢者は、車など交通手段を持っておらず、家族に送迎してもらう、公共交通機関を使う、タクシーを使うなど、家族・金銭・本人の身体的・精神的負担は、はかり知れません。外来診療やリハビリテーションにおいては、そういった負担が、あまり見えません。患者さんは、何とか通院してきて、長い時間待たされることもあるでしょう、医師や看護師・療法士には、気丈に笑顔で、大丈夫ですということも少なくないでしょう。家に帰ったら、よくしてもらいに行ったのに、ぐったりして数日体調不良になる、なんてこともあるようです。そういった一見、目に見えづらいことも想像して、サービス計画を立てる必要があります。どうせ外出するなら、なにも受診や施設に行くという事ではなく、訪問リハビリで療法士と共に屋外訓練で公園や街中へ出かける、買い物に出かける、家族と外出するなど、楽しみとして出かけるという方法もあるし、その方が出かけること自体が楽しくなるのではないでしょうか。

外来診察やリハビリでの待ち時間が長い場合も多く、、その負担も考える必要があります。診察なら月1回位でしょうか、外来リハビリなら週に1~3回程度の通院が必要になります。それが、負担でない、可能な人は、外来リハビリが良いでしょう。ですが、通院すること自体が負担の高齢者などには、あまり向かないと思います。

訪問リハビリであれば、予定の時間に自宅でくつろいで待っていればいいのです。外来受診や通所による転倒リスクは、出かけないのでありません。特に冬場の通院時間、通院する労力・転倒のリスクは、考慮に値します。また、外来・施術室などの不特定多数が集まる場所に数多く行くということは、訪問リハビリで決まった療法士と接することに比べれば、コロナなどの感染症のリスクが高いことも考えられます。

また、リハビリテーションについては、1単位20分で単価が決まっていいますので、外来でも訪問でも、料金は変わりません。訪問に際する交通費などの請求もありません。ので、通院する交通費を考慮すると、家に来てもらうのに、逆に割安、と考えることもできます。

このようなことを考察すると、急性期疾患で専門性が高い状態、術後の状態、若い人、通院が容易である方、介護保険サービスが使えない方、などは、外来リハビリテーションに向いている、介護保険サービスを利用できる・通院が困難な状態の方・高齢者の方・感染症罹患のリスクを恐れる方・金銭的な面を気にされる方などは、訪問リハビリテーションが向いていると考えます。

知識や情報が足りないことで、色々我慢してサービスを受けられている方、計画している方もいっぱいいるでしょう。在宅生活を国が推進する以上、より在宅で心地よい区過ごすための制度、サービスは、どんどん充実して来ています。それを使わない手はないでしょう。

次回は、在宅におけるリハビリテーション。通所リハビリと訪問リハビリの使い分け?違いについて??