コロナ診療の今後について

2022年01月24日 こころ院長ブログ

コロナウィルスの検査について、すでに試薬の不足や検体数過多の問題が起こってきています。発熱外来も、受け入れ人数を超える問い合わせが各地に来て、困っています。

抗原検査を無料配布するくらいなら、発熱外来の方に回してほしいくらい。

そこで、最近、言われているのが、若い、持病が無い、症状が軽微な方や濃厚接触者の検査を辞めてはどうか?という案です。これ自体、見方によっては、若い人をまた見捨てるのか?とも取られそうですが、検査自体、そもそも治療を見据えて行うもの。それは、コロナであれ癌であれ。

基本的に、症状が軽い持病が無い若者は、治療方法がありません。持病があったり、高齢だったりする方には、場合によっては飲み薬や点滴注射の治療を行います。ですが、症状が軽い若者には、解熱剤、対症療法の薬くらいで、あとは自力で治っていくことになります。つまり、検査して、陽性であっても陰性であっても、家で自粛して、栄養と睡眠をとって、対症療法の薬を飲むだけなのです。だとしたら、確認のために検査をして、足りない試薬を使用しないで節約する、医療の人的資源をもっと別の患者さんに回す、検査受け入れ人数をもっと必要な人に回す、医療のひっ迫を軽減するなどの目的で、検査をしないというのは、あながち悪い政策ではないと思います。ただし、これには条件が必要だと思います。

発熱、軽微な風邪症状、体調不良がある若者はコロナ陽性とみなして、数日間の自宅休養をとること。そのために、休養できる保証体制や職場の協力が必要であること。結局、検査をしない、そのまま外出するでは、感染蔓延を助長するだけ。検査をしない代わりに、体調が少しでもおかしな方は、みなし陽性として、一定期間自宅隔離すること。そうすれば、医療のひっ迫を軽減し、かつ感染の勢いを抑えられるかもしれない。

賛否両論はあるかもしれませんが、緊急事態、ひっ迫している状況では、いわゆるトリアージをして、効率的に人的・物的資源を活用するしかないのではないかな。