社長は、労働対価を具体的に知るべき

2021年11月29日 こころ院長ブログ

社長でも、具体的な労働対価を知らない人がいっぱいいる。そういった会社は、経費が雑だったりする。何を言っているのかというと、病院でいうならば、患者さん一人を、外来、入院、訪問などで診療、看護、リハビリテーションする場合、よく言うのは、患者さん一人当たり入院費いくらいくら、だから、60床あれば単純計算で×60すれば、この病棟・病院ではこれくらいの収益が出るはずだ・・・・。と。まぁ、ざっくりいえば、そうなのですが、そもそもその一人当たりに、どれくらいのものと人がかかっているのかを知るべきだという話です。一病床あたりで計算すると、そこにスタッフの顔が見えない、お金だけを見ている、とも取れます。患者さん一人につき、もちろん、ほかの患者さんもみるので、一対一ではないのですが、主治医がいて、日勤・夜勤の看護師が居て、介護士がいて、療法士が居て、総務・医療事務がいて、栄養士が居て、薬剤師がいて、施設管理・守衛が居て、部屋を掃除する清掃係が居て・・・・と、多くのスタッフがかかわるわけです。その患者さんが一日、安心して過ごし、治療・看護・リハビリを受けるのに、これだけの人が24時間かかわって、1日いくらいくらの医療費になるわけです。それを安いと取るのか高いと取るのか、それは価値観の問題。それだけのスタッフが心を込めて一生懸命仕事をした対価が、いくらいくらである、それを肝に銘じる必要がある。それをもって、会社の経費を何にかけるかを検討、決定しているだろうか。会社の年商なんかは数千万から数十億円まで、クリニック・病院の規模で様々でしょう。それに比べたら、使われている経費の一個一個の金額は、微々たるものなのでしょう。何かを買ったり、広告や接待に使われたり、何らかの機器や道具・薬品を仕入れたり、施設の修繕や増築に使われたり、社長の高級車やヘリ・自家用ジェットに使われていたり・・・・、いろいろなことに経費が使われています。ただ、その微々たるものを生み出すのに、スタッフがどれほど真剣に仕事に向き合っているのかを考えているのだろうか?このぐらいの病床があるから、これくらいの時間があるから、もっと稼げる、もっと行けると、ノルマを課していないだろうか?これぐらいの利益があるから、使ってもいいだろう、法人税を払いたくないから買って使っちゃおう、などと安易に無駄遣いしていないだろうか?たとえ数千円でも一万円でも、貴重な対価を無駄にしないように、細かい経費についても、無駄がないように検討する癖をつけているだろうか?スタッフが、一生懸命生み出した対価を思えば、一円でも大事にするはず。そこを怠り、どんぶり勘定していると、ふとしたことで足元をすくわれる、そもそもそういったメンタルでいる社長には、今の時代、もうスタッフもついてこない、心酔しない。会社は、採用するスタッフを選ぶが、スタッフも働く会社を選ぶ、当たり前だが、それが行われている、行われるようになったのが今の日本なんだろうなと思う。