地域医療における密な連携とは・・・

2021年07月09日 こころ院長ブログ

地域医療においては、多くの他事業所や法人との連携が重要である。在宅クリニックでは、数多くの訪問看護ステーションと連携しています、と高々と掲げるクリニックや病院が多数あり、訪問診療に入る際に、ほぼ必ず訪問看護を入れるクリニックもあります。緊急時対応・オンコールの防波堤のような形で訪問看護を利用し、ほぼ丸投げ、訪問看護からの往診要請にも、対応が遅かったり、対応しなかったりするクリニックも意外と少なくありません。それで、連携といえるのでしょうか?もちろん、訪問看護がオンコールの最初の対応をすることは、システム上問題ありませんが、単純に丸投げでいいのか?そもそも、ただ、多くの事業所と組んで、紹介しあって、件数を稼ぐだけでいいのか?

当クリニックでは、当初から、本物の地域医療を目指しています。誰に教わったわけでもなく、自らが理想とする地域医療を。そのため、他事業所、多職種との連携にもかなり気をくばっています。

多くのクリニックは、医療をしています。患者の症状の緩和を行っています。当法人では、人を見ています。治療をしているのではなく、その人の生活全体を、人生の改善を目指しています。そのため、治療プランの中に、ケアプランや環境・経済・家族その他の項目も含んでいます。なので、ケアマネさんの立ててくれるケアプランと時にぶつかり、話し合いになることがあります。ケアプランも丸投げではなく、こういうことを目指しているから、そのプランでなくてこっちのほうにしてほしいなどの要望を出したりもします。ケアマネさんからしたら、少しめんどくさい法人かもしれませんね。

リハビリ、看護、ヘルパー、ケアマネ、ディ、小規模多機能・・・、それぞれのサービスを導入検討する際、単純に空いているかどうか、順番で、バランスよく、ということではなく、この患者さんの性格や症状、その他の条件と会う事業所を、もっと言えば、どこそこの事業所の誰々さんが相性がよさそう、というところまで検討して、依頼したりします。

本当の密な連携とは、ほかの事業所・法人の、もっと言えば、そこのスタッフの誰々さんの性格や仕事っぷり、癖や好み、どういう人、状態を得意としているか、苦手としているか、そういうところまである程度把握できるくらいの密な関係を作ることが大事なのではないかなと思います。医師は、とくに、看護婦さん、事務さん、ケアマネさん、理学療法士さん・・・・、などなど、職種で見ている人も多いような気がしますが、人と人のつながりなので、どこそこのケアマネージャーさんの誰々さん、と個人であることを認識して、その人とは、どういった仕事をすると連携がとりやすいのか、そういった細かい視点や配慮が、密な連携には求められるのではないかと思います。私が新しく在宅の患者さんに介入するときに、この方は、うちの看護よりどこそこの看護の方が相性がよさそう、この方のケアマネは、誰々さんがうまくいきそう、この人は、ディサービスには向かない、この人はディに行くべき、この人はどこそこの小規模多機能の誰々さんにみてもらえれば全部うまくいきそう、などの具体的な細かな治療計画を立てられれば、万事うまくいく準備が整うかなと、思います。