在宅医療における訪問リハビリの有用性

2021年06月24日 こころ院長ブログ

在宅医療において、本当の意味での訪問リハビリを武器の選択肢として、持っているかということは、患者さんの生活に直結する。痛みで体動困難、介護困難→入院→施設入所、という流れを、痛みを座薬で軽減し、訪問リハビリでさらに痛み軽減+ADLの維持改善を行うことで、入院せずに在宅生活を元通りにできるようになることや呼吸不全で緩和入院レベルでも、症例によっては薬剤調整+呼吸器リハビリにより、呼吸不全症状が軽快し、より安楽な在宅生活を延長でき、場合によっては最期まで自宅で過ごせることもある。しかし、本当の意味での訪問リハビリを取り入れなければ、あっという間に症状が増悪したり、入院や入所せざるを得なくなってしまう可能性がある。訪問リハビリは、以前から話しているように、質が大きく作用する。単純にROM訓練や起居動作・歩行訓練、マッサージをしていればいいというものではない。患者さんの症状の個性に合わせ、目的に合わせてプランニングしたリハビリテーションを行わなければ、大した効果は得られない。だから、主治医は、そうしたリハビリをしてくれる療法士を知っておく必要がある。どこそこの事業所の誰々さんは、指示内容を十分に理解して施術してくれる、時には提案し、報告してくれるなど。安易に、リハビリいれようかな、指示書書くのであとはよきにはからって、なんていう古臭いリハビリ指示をしているようでは、リハビリなんで無駄だ、医療費・介護費の無駄遣いだから、3ヶ月しかやっちゃダメとか、3か月おきにめんどくさいくらいの評価をして、改善していないとだめとか、レセプトにどうしてリハビリをしていて、どのような結果になっていて、あとどれくらい続ける見込みなのか、など事細かく書かないとはじかれるなどの引き締めが強くなってしまう。

 リハビリとは、心身が弱った人に対しては、生涯続けるべきもの、と私は考えています。だって、どこも悪くない若者だって、ジムに通ったり、ランニングしたり、ヨガに行ったり、トレーニングしているじゃない。高齢者だって、疾病を持つ人だって、トレーニングしないと、続けないと、単純な老化よりも早く心身の能力が落ちて行って、ADLが低下するに決まっているじゃない。そうなったら、入所だ、入院だ、手術だ、って、芋づる式に医療費がかさんでしまう。事故や疾病が起こるリスクを減らすために、介護予防のリハビリテーションだって、積極的に展開して、長期的に続けるべきなんだと、私は思う。