2021年02月17日 こころ院長ブログ
と私は思います。何か軸となる専門分野があることは、実際はとてもいいことですが、必須項目ではありません。もちろん、何らかの疾患などで、専門クリニックや総合病院の専門医の先生は必要です。いつもお世話になっております。ですが、こと、在宅医療、訪問診療に関しては、専門医は必須ではありません。
必要なのは、人柄と情熱、コミュニケーション、愛嬌、話術など、医学以外の一般的なもでであたりします。かくいう私も、極度の人見知りっこで、口下手でしたが、今となっては、仕事モードの時は、いくらでのしゃべれます(^^)/。ですので、訪問診療や在宅医療に興味のある先生は、まず現場に飛び込んでみてほしいです。在宅医療の先生は、患者さんです。日々の診療から必要なことはほとんどすべて学べます。
逆に、どんなに訓練しても、現場では、事足りることはありません。一人一人の患者さんの治療に一生懸命取り組む中で、色々なことを、パターンを、考え方を学ばせていただいています。
これは、訪問看護やリハビリ、ヘルパー、ケアマネなど在宅に関わるすべての職種でも応用が利きます。例えば、認知症の患者さんを担当したとき、この方の認知症は、どのタイプなのかからはじまり、どういう経緯できっかけで認知症を疑われたのか、診断に至ったのか、どういう治療経過をたどったのか、家族背景・家族との関係性、仕事や住環境、その変化、生活習慣の変化や食事、性格はどう変わっていっているのか、もともとの個性はどんなだったのか、それが何か影響青与えていないか、今どんなケアプランが組まれているのか、それがベストプランなのか、どうしたらもっと良い在宅生活を送れるのか、そもそも在宅生活がベストなのか他にベストな過ごし方はないのか、環境設定でリスクが軽減できないか、そもそも現在のリスクの高い事象はなにか、それを低くする方法は何か思いつくか、薬は多すぎないか、減薬できないか。リハビリテーションを介入することで予防、維持、改善が得られそうか、など、認知症ベースのだけでも考えること学ぶこと、パターンを学習することはいっぱいありますが、これに加え、持病についてもそれぞれ考えます。
糖尿病なら、インスリン4回うちは妥当か、糖尿病のコントロールだけを考えれば、そうなのかもしれないが、コンプライアンスはどうか、打ち間違いのリスクは?低血糖リスクは?食事はそもそもちゃんととれているのか?などを考え、服薬にもっていくのか、今の4回うちを安全に行えるように指導、サービス調整するのか、打つ回数を減らす管理にするのか、コントロールの厳重性を緩くしてでも安全に管理できるように調整するのか、生命予後なども考慮する、合併症の有無や今後の発生・増悪のフォローアップ、今あるしびれや視野傷害、排尿障害など別の症状が、この疾患由来のものか別の原因によるものか・・・・などなど学び、考えることはいっぱいあります。
こんなことを100人も120人もやっていれば、おのずと在宅医療に必要な知識や経験は、あっという間にみにつきます。ですから、地域医療に興味があるけど、やっていけるか心配だ、不安だ、こわいな、と思って、地域医療に飛び込めないでいる医師の方々、在宅医療は特別なものではなく、ただ、診療行為を病室・診察室から、患者さんのご自宅や施設にうつしているだけで、やっていることは、病院の治療と何ら変わりません。
ぜひぜひ、我々のいる地域医療、在宅医療の分野に、気概のある医師が、少しでも多く興味をもって、参加してただけるようになるとありがたく存じます。(上記の在宅・訪問診療論は、私の独学の方針ですので、ほかのクリニックに行って、こんなことを言ってみると、何言ってんの?って言われちゃうかもしれませんので、お気を付けください(;∀;))