どこの何のサービスを利用するかが大事

2020年08月25日 こころ院長ブログ

開院以来、1年8か月、しつこいくらいの布教活動で、ようやく在宅医療における訪問リハビリの必要性、当たり前感が、少なくとも当クリニックの周辺地域に根付き始めました。

リハビリの必要性や良さを伝えていくのには、なかなか時間と労力が必要でした。まだまだ、不十分ですが、少しずつ、改善されてきていると感じます。ですが、これは、最初の一手でです。本当の意味での在宅医療の改革は、これからが本番。患者さんに、看護、介護、リハビリ、通所、スティ、入居、どのサービスをどのくらい提供するのか、限られた介護点数のその配分はどうしたらいいのか、いまだに基準があいまいなことが多く、必要なサービスが点数不足で入れないことがしばしばあります。

それは、もちろん必要度と利用できる介護点数の不一致のこともしばしばあります。サービスをセッティングするソーシャルワーカーおよびケアマネージャーの医療・リハビリ・看護・介護・在宅生活に対する知識不足や経験不足によるところが多分にあります。しかし、医療・看護・介護事業所サイドが、自身の担当する分野ですら知識不足・経験不足であることもしばしばあります。そういったことを補うために退院前カンファレンスなどがありますが、実はその時点ですでに利用するサービスの方向性が決まっていて、カンファレンスで覆せないようになっていることもあります。

最も視野と見識が広いのは在宅クリニックなので、できれば、まず早い段階でクリニックを決めて、情報提供し、必要なサービスについて相談してほしいですね。そうすれば、患者さんの状況や生活スタイルに応じて、こういうサービスが必要かもというアドバイスを早めにできます。事業所に依頼しておいて、やっぱり、こっちのサービスの方が大事だからお断りしなきゃ、ということが少なくなると思います。

そして、サービスも何を入れるかも大事ですが、どこに頼むかがこれからは大事です。

訪問看護・・・、事業所によりできる看護とできない看護があるって、ご存じでした?

ヘルパーさん、事業所によりマンパワーが異なり、週には入れる回数の許容数が異なるって知ってました?

薬局、薬の配達をしてくれるところとしてくれないところ、休日や臨時当日配送をしてくれるところとしてくれないところ、月に2回までしか配達してくれないところと必要に応じて、配達してくれるところなどあるってご存じでした?

リハビリ・・・、事業所によりできるリハビリの内容が違ったり、結果としてどのくらい改善していくかが違うって知ってました?

在宅クリニック、クリニックによって、できる治療や検査、診られる疾患の範囲、通院の必要性があったりなかったり、往診の対応などが異なるって知っていました?

その地域、その人、その病状、その生活、その目標などによって、何のサービスを入れるかを決めた後に、どこのサービスを入れるか、がとても重要です。それにより、在宅生活が楽しく、楽に、楽々になることもあれば、そうでないこともあります。

これからの時代、どこの事業所・クリニックが、何をしてくれるかのさらに先に、どのくらいどういったことまで、どういう感じで対応してくれるのかまでの情報をもって、在宅医療介護サービスを受けていくことが賢明です。