目線が大事、パンダ(熊猫)でいること

2020年08月14日 こころ院長ブログ

多くのクリニック、病院・事業所では、患者の目線や立場に立って、寄り添って、などのフレーズを掲げていますが、実際、それをちゃんと実行している社は、どれほどあるのでしょうか。色々な目線を持つことが大事です。
 当クリニックでは、患者さん、利用者さんがどう感じている、どう考えている、どうしてほしいと思っているか、その思いが今、一時的なものか、そうでないのか。介護する家族は、ケアマネージャーは、ヘルパーは、訪問看護は、療法士は、通院している・していた病院の担当医は、どう考えているのかに想いを馳せ、主治医としてはどういう選択肢があるのか、提供できるのか、医学的には、リハビリ的には、非医学的・生活的には、どういうサポートができるのかなどを考えます。

 主治医だから、病気のことを診ていればいいでは、ちゃんとした在宅医療とは言えません。いかにして、家で少しでも快適な生活を送れるように支援するか、を考えなければなりません。医療者は、先輩たちによく、患者さんを自分の家族と思って・・・といわれました。それも大事ですが、それだけでは不十分です。家族の立場に立ち、こうしてほしい、ああしてほしい、と思うことが実現可能かを考え、実践すると同時に、客観的な第三者、医療者としての視点をしっかり持つことが大事だと思います。患者さんに寄り添いすぎたり、入れ込みすぎると、本人や家族側の視点に立ちすぎで、客観的に考えることができなくなり、視野が狭くなってしまう危険性があります。白か黒か、ではなく、パンダ(熊猫)でいることがいいのかな、と思います。